股関節屈曲角度の左右差と両側上前腸骨棘を指標とした骨盤左右傾斜の評価の検討

  • 廣島 拓也
    埼玉県総合リハビリテーションセンター 理学療法科
  • 杉山 真理
    埼玉県総合リハビリテーションセンター 自立訓練担当
  • 武川 真弓
    埼玉県総合リハビリテーションセンター 理学療法科
  • 清宮 清美
    埼玉県総合リハビリテーションセンター 地域支援担当
  • 鈴木 康子
    埼玉県総合リハビリテーションセンター 作業療法科
  • 河合 俊宏
    埼玉県総合リハビリテーションセンター 福祉工学担当

書誌事項

タイトル別名
  • コ カンセツ クッキョク カクド ノ サユウサ ト リョウガワ ウワマエ チョウコツキョク オ シヒョウ ト シタ コツバン サユウ ケイシャ ノ ヒョウカ ノ ケントウ

この論文をさがす

抄録

【はじめに】車椅子処方の際の座位評価において,左右の坐骨の高低差を数値で表現することは困難である。本報では,左右の坐骨の高低差を,股関節屈曲角度または上前腸骨棘(ASIS)傾斜角度から,推測可能か検証した。【方法】対象は股関節屈曲角度の片側が90度以上(健側)で,対側が90度未満(患側)の,脊柱側弯のない12名とした。両側の股関節屈曲角度と坐骨間距離,ASIS間距離を計測した。測定姿勢は,足底を床に接地させ,骨盤前後傾中間位,健側膝関節90度屈曲位,健側腓骨が鉛直となる姿勢とした。ASISの傾斜角度と坐骨傾斜角度は,臀部の陰性モデルを作成し測定した。坐骨高低差とASIS高低差を算出し,坐骨高低差を従属変数,患側股関節屈曲角度・ASIS高低差を独立変数とした単回帰分析により回帰式を算出し,検討した。【結果】回帰式は[坐骨高低差=-0.276×患側股関節屈曲角度+28.146](回帰係数p=0.01)と,[坐骨高低差=0.261×ASIS高低差+4.469](回帰係数p=0.96)が算出された。【結論】股関節屈曲角度に左右差のあるものに対して,患側股関節屈曲角度から坐骨の高低差が推定可能であることが示唆された。身体機能評価に基づいた車椅子処方の一助となると考えられる。<br>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ