心房中隔欠損症における心エコー肺体血流量比の精度に関する検討

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タイトル別名
  • A Study on the Accuracy of Pulmonary to Systemic Flow Ratio by Echocardiography in Patients with Atrial Septal Defect

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説明

目的:パルスドプラ法(Echo法)の肺体血流量比(Qp/Qs)の計測精度を明らかにすること.<br>対象と方法:Echo法とFick法を施行した心房中隔欠損症31例(53±18歳,M=11例)を対象に,両法のQp/Qsを比較した.また,両法の誤差20%を境として,一致群,Echo法の過小評価群,過大評価群に区分し,各群の左室および右室流出路径(LVOTd, RVOTd),およびこれらの体表面積補正値,左室および右室流出路血流時間速度積分値(LVOT TVI, RVOT TVI)を比較した.さらに,右室流出路長軸断面右室流出路拡大像における,RVOTdと超音波ビームのなす角度(RVOTd計測角度)についても追加検討した.<br>結果と考察:両法の相関は良好であった(r=0.70, p<0.01).一致群と比較して,過小評価群はRVOTd indexが有意に小であり(p<0.05),過大評価群はRVOTdが有意に大(p<0.01),RVOTd indexが有意に大であった(p<0.05).RVOTd計測角度は一致群と比較して,過小評価群,過大評価群ともに有意に大であった(ともにp<0.01).これらより,Echo法ではRVOT壁が超音波ビームに対して平行に描出されることで,特に側壁の描出が不鮮明となることや種々のアーチファクトにより,RVOTdに計測誤差が生じると考えられた.<br>結語:Echo法では,RVOTd計測時に超音波ビームがRVOT壁に可及的に直交するように描出することで計測精度が向上する可能性が考えられた.

収録刊行物

  • 超音波検査技術

    超音波検査技術 40 (6), 649-657, 2015

    一般社団法人 日本超音波検査学会

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