肺切除術後患者における歩行自立の遅延要因の検討

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  • Evaluation of the delay factor of the walk independence in the patients after pulmonary resection
  • ハイ セツジョ ジュツゴ カンジャ ニ オケル ホコウ ジリツ ノ チエン ヨウイン ノ ケントウ

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抄録

肺切除術後患者において,歩行自立獲得が遅延した要因を検討した.当院で肺切除術を施行した114名を対象に,術後4日目までに歩行自立を獲得した患者98名を「順調群」,獲得できなかった患者16名を「遅延群」に分類した.後方視的に術前要因(年齢,BMI,%肺活量,1秒率,血清アルブミン値,肺疾患の有無,肺外疾患合併の有無,喫煙歴,屋外歩行の可否),手術要因(術式,手術時間,出血量),術後要因(胸腔ドレーン留置期間,硬膜外麻酔留置期間,合併症の有無,術後からの歩行開始日,6MD)に分類して比較検討した.「遅延群」では「順調群」と比較して,術前要因として有意に年齢が高く,屋外歩行を行っていなかった.術後要因では有意に合併症をきたし,歩行開始日が遅く,6MDが短かった.以上より,肺切除による手術要因自体の影響はみられず,高齢,術前からの屋外歩行非実施者,術後合併症による歩行開始の遅れにより,歩行自立が遅延したことが示唆された.

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