COPDの6分間歩行試験における脈拍数に対する右心負荷の影響

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タイトル別名
  • Influence of right heart load on heart rate during the six minute walk test in COPD patients
  • COPD ノ 6プンカン ホコウ シケン ニ オケル ミャクハクスウ ニ タイスル ウシン フカ ノ エイキョウ

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抄録

われわれは,COPDにおける6分間歩行試験(6MWT)中の脈拍数に及ぼす心負荷の影響を検討した.心負荷の判定は,非侵襲的検査である胸部X線,胸部CT,心電図,心エコーを総合的に判定して,潜在的に右心あるいは左心の異常を認めたものとした.顕在性の心不全症状を認めた例は除外した.対象はCOPD患者87例で,完歩群69例と,非完歩群18例であり,右心負荷群・左心負荷群・両心負荷群・心負荷なし群の4群に分類した.6MWT中のSpO2,脈拍数,修正Borg Scaleを用いた呼吸困難と下肢疲労感の変化を,完歩群と非完歩群の2群間及び各心負荷群の4群間で比較した.脈拍数は,両心負荷群では左心負荷群と比較して4分後から6分後まで有意に高値を示し,右心負荷群は左心負荷群より,開始時から6分後まで有意に高値であった.完歩群の70%,非完歩群の94%で何らかの右心負荷を認めた.顕在性心不全のないCOPD症例の中で,右心負荷を示す例では,6MWT中の脈拍数が高値であり,一回心拍出量が制限されている可能性が示唆された.

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