書誌事項
- タイトル別名
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- PCRを用いた走鳥類雌雄鑑別法の確立
- PCR オ モチイタ ソウチョウルイ シユウ カンベツホウ ノ カクリツ
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説明
環境問題の影響は、人間生活のみならず多くの動植物にも及び、様々な動植物種が絶滅の危機に瀕している。2003年に絶滅した日本産のトキをはじめとして、鳥類も例外ではない。こういった絶滅危惧種、あるいは生物資源の維持にためには、性的単一形が多く見られる鳥類の性別鑑別技術が欠かせない。本研究では、これまで鳥種別の条件にて行われることが多かったダチョウ、エミュー、ヒクイドリ、レアなどの走鳥類(平胸類)の雌雄鑑別を同一の条件で行える技術を確立するとともに、より簡便な羽軸からの安定したDNA調製を試みた。ダチョウ4個体、エミュー44個体、ヒクイドリ5個体、レア4個体、合計57個体から羽軸を採取しDNAを調製後、PCRによる雌雄鑑別を行ったところ、50個体において可能であった。雌雄鑑別が困難であった7個体中5個体は、同一個体の異なる羽軸を用いて再度DNAを調製することで雌雄鑑別が可能であった。さらに、雌雄鑑別に用いた性染色体特異配列kWl由来のPCR増幅物は、ヒクイドリ科に属するヒクイドリとエミューにおいてのみ、Z染色体上で重複が起きていることが観察された。これにより、ヒクイドリ科に属するヒクイドリとエミューのkW1配列は、系統分類上、ダチョウ科やレア科と分岐したのちに重複が起きたこと、さらに鳥類の性決定はZ染色体の発現量の影響を受けることから、性決定候補遺伝子探索のマーカーになる可能性が示唆された。
収録刊行物
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- 石川県立大学年報 : 生産・環境・食品 : バイオテクノロジーを基礎として
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石川県立大学年報 : 生産・環境・食品 : バイオテクノロジーを基礎として 2007 (0), 23-30, 2008
石川県公立大学法人 石川県立大学
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205282639744
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- NII論文ID
- 110007144977
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- NII書誌ID
- AA12164962
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- ISSN
- 24241997
- 18819605
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- NDL書誌ID
- 9563693
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可