肥厚性硬膜炎を合併しANCA関連血管炎性中耳炎が疑われたANCA陰性難治性中耳炎の1例

DOI Web Site 参考文献7件 オープンアクセス
  • 間多 祐輔
    （一財）脳神経疾患研究所附属総合南東北病院耳鼻咽喉科
  • 植木 雄司
    （一財）脳神経疾患研究所附属総合南東北病院耳鼻咽喉科
  • 今野 昭義
    （一財）脳神経疾患研究所附属総合南東北病院耳鼻咽喉科
  • 山内 智彦
    福島県立医科大学会津医療センター耳鼻咽喉科
  • 横山 秀二
    福島県立医科大学会津医療センター耳鼻咽喉科
  • 小川 洋
    福島県立医科大学会津医療センター耳鼻咽喉科

書誌事項

タイトル別名
  • A suspected case of otitis media with anca associated vasculitis with hypertrophic pachymeningitis

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説明

症例は70歳女性。2012年より左耳漏に対し保存的治療を行うも改善せず，手術的治療が予定されていた。2014年9月に複視を自覚，近医で左外転神経麻痺を指摘され，総合南東北病院紹介となった。頭部MRIで左小脳から側頭葉に肥厚性硬膜炎の所見が認められ，側頭骨高分解能CTでは左鼓室から乳突蜂巣に軟部陰影が認められた。肥厚性硬膜炎と中耳病変との関連が疑われ，乳突削開術を施行し病理組織学的検索を行った。結果は非特異的肉芽組織の診断であり，自己抗体も陰性であったが，ANCA関連血管炎の関与を疑い，ステロイド治療を開始し，3か月経過時点で外転神経麻痺も改善した。ANCA陰性難治性中耳炎は診断，治療に苦慮することが多く，慎重な経過観察が必要である。

収録刊行物

  • 頭頸部外科

    頭頸部外科 26 (1), 125-131, 2016

    特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会

参考文献 (7)*注記

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