佐渡島の耕作放棄棚田における地下水の水質形成要因

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  • Factors Affecting Groundwater Chemistry in Abandoned Terraced Paddy Fields on Sado Island, Japan
  • サドガシマ ノ コウサク ホウキ タナダ ニ オケル チカスイ ノ スイシツ ケイセイ ヨウイン

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抄録

新潟県佐渡島の耕作放棄棚田において,地下水の水位および水質の経時変化に影響を及ぼす要因を調査した.山腹斜面末端部近くに位置し,上方が急斜面になっている調査区(A区)では,緩傾斜の平衡斜面の中腹に位置する調査区(B区)に比べて,地下水位の経時的な変動が小さかった.A区ではEC,pHおよび鉱物風化に関わる成分濃度(Na+,Ca2+,アルカリ度など)が高く,斜面浸透水が地下水の主要な供給源になっていると推察された.B区では海塩成分(Na+,Cl-など)の影響が冬期の濃度上昇に強く現れていた.地下水質の変化には,そのほかに降雨による地下水の希釈,イオウの酸化還元,植物の養分吸収なども影響していると推察された.近接する場所でも地形条件が違うと,地下水質に及ぼす各要因の影響の仕方が異なり,地下水位や地下水質などの水環境特性を考慮した耕作放棄棚田の管理が重要である.

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参考文献 (39)*注記

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