セロビオース脱水素酵素-その機能と応用

  • 鮫島 正浩
    東京大学大学院農学生命科学研究科生物材料科学専攻
  • 五十嵐 圭日子
    東京大学大学院農学生命科学研究科生物材料科学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Function and application of cellobiose dehydrogenase
  • セロビオース ダツスイソ コウソ ソノ キノウ ト オウヨウ

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抄録

セロビオース脱水素酵素(CDH:cellobiose dehydrogenase)は多くの糸状菌をセルロースあるいは植物バイオマスを基質として成育させた際に生産される菌体外酵素の一つである.CDHはフラボヘム酵素であり,セロビオースの還元末端基を酸化し,この際に2つの電子を基質から抽出して,これを適当な電子受容体に渡す反応を触媒する酵素である.私たちはCDHの触媒サイクルにおける電子伝達機構について研究を行って,その結果,CDH内でのフラビンからヘムへの電子の受け渡しに関わる相互作用が菌のセロビオース代謝において精巧さを持つ調節機能を果たしていることを明らかにした.このような触媒機構に加えて,CDHはセルロースのアモルファス構造表面を認識して吸着することも明らかにした.このようなCDHの性質は糸状菌におけるセルロース分解機構を理解するために非常に重要であるが,それと同時に,CDHの応用においても有益である.私たちはCDHの触媒機能を利用してセルラーゼのリアルタイムで高感度な活性検出を行った.また,CDHの吸着能力を利用してセルロース系材料の表面解析を行った.

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