肩腱板断裂患者における超音波ガイド下大結節側腱板断端内ステロイド注入療法

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タイトル別名
  • Effect of steroid injection into the greater tubercle stump following a rotator cuff tear
  • ケンケンバンダンレツカンジャ ニ オケル チョウオンパ ガイド カ ダイ ケッセツガワケンバンダンタン ナイ ステロイド チュウニュウ リョウホウ

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抄録

<p>目的:肩腱板断裂患者の大結節側の腱板断端にステロイドを注入して断端を退縮させることで良好な治療成績を得る可能性を検討する.</p><p>対象と方法:肩腱板完全断裂の患者に対し,超音波断層像のガイド下に1%リドカイン塩酸塩注射液3mlとベタメタゾン酢酸エステル2mg・ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム0.66mg配合水性懸濁注射液の混合液を大結節側腱板断端または肩峰下滑液包内に注入した.大結節側腱板断端注入群は32例,肩峰下滑液包内注入群は28例であった.日本整形外科学会肩関節疾患治療成績判定基準(以下JOA score)の点数を注入前と2週間後で比較した.</p><p>結果:JOA scoreの改善率は,大結節側腱板断端注入群の方が肩峰下滑液包内注入群より有意によい結果であった.</p><p>考察:肩腱板断裂患者の大結節側の腱板断端にステロイドを注入すると腱板の断端の炎症が軽快するとともに腱板の組織の壊死が生じて断端が退縮し,疼痛が軽快するのではないかと考えられた.</p><p>結論:肩腱板完全断裂に対する超音波ガイド下大結節側腱板断端内ステロイド注入は,肩峰下滑液包内へのステロイドの注入よりも有用である.</p>

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