天日干し後の着用で発症したブラジャー肩紐中のDi (2-ethylhexyl) maleateによる接触皮膚炎

  • 今村 真也
    兵庫県立加古川医療センター皮膚科
  • 足立 厚子
    兵庫県立加古川医療センター皮膚科
  • 白井 成鎬
    兵庫県立加古川医療センター皮膚科
  • 井上 友介
    兵庫県立加古川医療センター皮膚科
  • 森 あゆみ
    独立行政法人製品評価技術基盤機構製品安全センター
  • 石井 恭子
    独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンター
  • 佐々木 和実
    独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンター

書誌事項

タイトル別名
  • Contact Dermatitis Due to Di (2-ethylhexyl) Maleate Included in Brassiere Straps after Ultraviolet Exposure
  • 症例 天日干し後の着用で発症したブラジャー肩紐中のDi (2-ethylhexyl) maleateによる接触皮膚炎
  • ショウレイ テンジツ ボシ ゴ ノ チャクヨウ デ ハッショウ シタ ブラジャー カタヒモ チュウ ノ Di (2-ethylhexyl) maleate ニ ヨル セッショク ヒフエン

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説明

<p> 購入して2日間着用時には無症状であったのに, 天日干し後に着用したブラジャー肩紐に一致して接触皮膚炎を起こした60歳女性を経験した。肩紐のパッチテストが陽性を示したため成分分析を行い, 被疑物質で皮膚テストを施行した。検出された Di (2-ethylhexyl) fumarate (DEHF : trans体) は陰性であったが, DEHFの cis 異性体である Di (2-ethylhexyl) maleate (DEHM) と, 実験室にてDEHFに紫外線照射をした産物もパッチテスト陽性を示した。Trans 体のDEHFに実験室において紫外線を照射すると, cis 体のDEHMが生成されることが実証され, これが患者にとってのアレルゲンと考えられた。ブラジャーの肩紐からは検出せず, 既往の塩化ビニル手袋皮膚炎由来と考えられたMono (2-ethylhexyl) maleate もパッチテスト陽性を示し, 類似物質のパッチテストの結果も併せて, 自験例のDEHMに対する反応は, 2-エチルヘキシル基, cis 二重結合, カルボキシル基という3つをそろえていないと抗原として認識されないことがわかった。</p>

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