ビーグル犬における甘味感受応答試験法

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  • Behavioral responses of beagles to saccharin mixed quinine

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抄録

マウスにおいて、甘味・うま味物質に対して嗜好性や神経応答に系統間で異なると報告されている。また、苦味物質である塩酸キニーネと甘味・うま味物質の混合溶液によって、甘味・うま味の行動応答が調査されている。しかし、ペットにおいて甘味・うま味の嗜好性についての調査はあまりされていない。そこで、ビーグル犬の人工甘味料サッカリンに対する行動応答を調査するとともに、甘味感受レセプターT1R3の発現について検討した。ビーグル犬6頭を用いて苦味物質である塩酸キニーネと蒸留水で選択飲水を行い、濃度依存的に苦味による忌避行動を確認した。12時間絶水したのち0.1 mM塩酸キニーネ単独溶液と0.1 mM塩酸キニーネと1 mMあるいは3 mMサッカリンの混合溶液を20分間呈示し、選択飲水を行った。0.1 mM塩酸キニーネ単独溶液の飲水量は68.1±14.7 g、1 mMサッカリンは45.5±21.3 g、3 mMサッカリンは10.4±5.3 gであった。ビーグル犬はサッカリンを好まない可能性が示唆された。また、マウスと同様に苦味物質と甘味物質の混合溶液で甘味嗜好調査が可能であると考えられた。ビーグル犬の舌の先端部、中央部、基底部分からバイオプシーにより組織を採取し、Total RNAを抽出した後、逆転写酵素によりcDNAを作製した。リアルタイムPCR法により各部位における甘味感受レセプターT1R3の発現量を相対定量により調査した。各部位に発現量に差はあるものの、舌全体でT1R3の発現が認められた。

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