高温下における定植初期のトマト根域冷却が根の活性および内部形態に与える影響

  • 河崎 靖
    農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所 東北大学大学院農学研究科
  • 松尾 哲
    農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所
  • 鈴木 克己
    農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所
  • 金山 喜則
    東北大学大学院農学研究科
  • 金濱 耕基
    東北大学大学院農学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Root-zone Cooling at High Air Temperatures Enhances Physiological Activities and Internal Structures of Roots in Young Tomato Plants

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抄録

トマト施設生産において高温障害を緩和する低コストな冷却技術が求められている.本研究では根域冷却の生理学的・形態学的知見を得ることを目的に,養液栽培されたトマトの培養液を最適温度と考えられるおよそ 25°Cに冷却して 2 週間栽培し,生育,養分吸収,根の活性としての出液速度および根呼吸速度,根の IAA 濃度および根の内部形態について調査した.高気温条件下で根域を最適な温度に冷却することで,根の RGR が増加し,その後地上部の RGR も増加した.根の IAA 含量は根の RGR と高い正の相関が認められた.根域冷却により出液速度,根呼吸速度が増加し,同様に Ca および Mg 吸収が促進された.また,根先端付近の木部発達も認められた.以上のことから,高温期の根域冷却は,根の活性および IAA 濃度を増加させることで,根の生育および木部発達を介した養分吸収を促進し,遅れて地上部の生育を促進することが示唆された.

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