チューリップ品種の発散香気成分の解析と香りの質による分類

  • 大久保 直美
    農業・食品産業技術総合研究機構 花き研究所
  • 辻 俊明
    富山県農林水産総合技術センター園芸研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Analysis of Floral Scent Compounds and Classification by Scent Quality in Tulip Cultivars

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抄録

チューリップの花の香りの質は,カンキツ様の香り,ハチミツ様の香り,青臭い香りなど,バラエティに富んでいる.そこで,チューリップの香りの質の多様性を化学的に明らかにするために,香りに特徴のある 51 品種のチューリップの香りを採取し,GC-MS を用いて解析した.チューリップの主要香気成分は,5 つのモノテルペノイド(ユーカリプトール,リナロール,d-リモネン,トランス-β-オシメン,α-ピネン),4 つのセスキテルペン(カリオフィレン,α-ファルネセン,ゲラニルアセトン,β-イオノン),6 つの芳香族化合物(アセトフェノン,ベンズアルデヒド,ベンジルアルコール,3,5-ジメトキシトルエン,サリチル酸メチル,2-フェニルエタノール),5 つの脂肪酸誘導体(デカナール,2-ヘキサナール,シス-3-ヘキサノール,シス-3-酢酸ヘキセニル,オクタナール)であった.主要香気成分の割合と生花の官能評価から,チューリップの香りは,アニス,シトラス,フルーティ,グリーン,ハーバル,ハーバル・ハニー,ロージィ,スパイシー,ウッディの 9 種類に分類された.

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