ガンマ線照射したニホンナシ‘幸水’の花粉交雑により獲得した花粉側自家和合性突然変異体

  • 澤村 豊
    農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所
  • 間瀬 誠子
    農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所
  • 髙田 教臣
    農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所
  • 佐藤 明彦
    農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所
  • 西谷 千佳子
    農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所
  • 阿部 和幸
    農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所
  • 増田 哲男
    農業生物資源研究所放射線育種場
  • 山本 俊哉
    農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所
  • 齋藤 寿広
    農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所
  • 壽 和夫
    農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所

書誌事項

タイトル別名
  • A Self-compatible Pollen-part Mutant of Japanese Pear Produced by Crossing ‘Kosui’ with Pollen from Gamma-irradiated ‘Kosui’

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抄録

ニホンナシは配偶体型自家不和合性を有し,結実には他家受粉が必要となる.本研究では,ニホンナシの自家和合性個体を作出するため,自家不和合性品種の‘幸水’にガンマ線を緩照射し,その‘幸水’より採取された花粉を無照射の‘幸水’に受粉し,交雑実生を獲得した.その結果,自家受粉で 74.4%の結実率を示す自家和合性個体 415-1 を得た.PCR 法により S-RNase の遺伝子型を解析したところ,415-1 は‘幸水’と同じ S4S5 であった.415-1 の自家和合性が花粉側変異,花柱側変異の何れによるものかを受粉試験により調査した.415-1 に同じ S 遺伝子型をもつ品種(‘秀玉’および‘王秋’)の花粉を受粉しても結実が確認できなかったことより,415-1 の S4- および S5-RNase は機能していると考えられた.一方,‘秀玉’および‘王秋’に 415-1 の花粉を受粉したところ,種子を有する果実の結実が確認された.これらの結果から 415-1 は花粉側の自家和合性変異体であると判断した.

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被引用文献 (2)*注記

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