グローバル化するeラーニング : 市場原理と国家の交錯(<特集>情報化時代における教育学の課題)

書誌事項

タイトル別名
  • e-Learning in Globalization : Complexity between Market Mechanism and Nation States(<Special Issue>Educational Research in the Age of Information Society: Themes and Concerns)
  • グローバル化するeラーニング--市場原理と国家の交錯
  • グローバルカ スル eラーニング シジョウ ゲンリ ト コッカ ノ コウサク

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説明

本稿は、高等教育システムに与えているITのインパクトを、eラーニングとグローバリゼーションをキーワードにして検討することを目的とする。分析の結果明らかになったことは、主に以下の3点にまとめることができる。第1に、高等教育システムにおける越境するeラーニングは2000年前後から普及を始めたが、市場原理で促進されていることを特徴とし、教育の世界にビジネスを導入した。それは、高等教育の需給関係の地域的な不均衡を背景にもつために、先進国から発展途上国へという流れが形成されていた。第2に、グローバル化するeラーニングに対する国家の対応は質の保証であったが、それはグローバリゼーションへの対抗というよりは、グローバリゼーションを利用した戦略であり、国家の教育に対する影響力は衰退してはいない。第3に、教育の質という教育に内在的な論理をさらに追求していくと、そこにもう1つのグローバリゼーションが見えてくるという複雑な構図が存在していた。

収録刊行物

  • 教育学研究

    教育学研究 73 (2), 125-136, 2006

    一般社団法人 日本教育学会

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