モニトリアル・システムの条件と限界 : サラ・トリマーの教育思想と教育実践を通じて

書誌事項

タイトル別名
  • Conditions and Limitations of the Monitorial System : through Sarah Trimmer's Educational Thought and Practice
  • モニトリアル システム ノ ジョウケン ト ゲンカイ サラ トリマー ノ キョウイク シソウ ト キョウイク ジッセン オ ツウジテ

この論文をさがす

説明

本稿の目的は、19世紀初頭の大規模貧民教育であるモニトリアル・システムにおけるヒト、モノ、そして両者の配置との構造的な関係を解明することである。この間題に取り組むため、当時の著名な日曜学校運動家であり、「ペル-ランカスター論争」の口火を切ったサラ・トリマーの教育思想、教育実践を取り上げる。特にトリマーが執筆し、後にベルとランカスター双方のシステムでも使用された、日曜学校向けのテキストに焦点が当てられる。これらのテキストは、1780年代以降の社会不安を背景に、生徒の暗記を廃し理解を促進するという新しい宗教教育実践の必要性から執筆された。本稿では、それらのテキストがモニトリアル・システムに導入される過程でどのように転用され、その結果テキスト、助教、生徒編制がどのように関連することになったかを検討する。この検討により、モニトリアル・システムを可能とする条件と同時に、その限界が明らかにされる。

収録刊行物

  • 教育学研究

    教育学研究 73 (1), 27-38, 2006

    一般社団法人 日本教育学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ