エビデンスに基づく教育の逆説—教育の失調から教育学の廃棄へ—

書誌事項

タイトル別名
  • The Paradox of Evidence-Based Education: From Upset of Education to Abandonment of the Theories of Education
  • エビデンスに基づく教育の逆説 : 教育の失調から教育学の廃棄へ
  • エビデンス ニ モトズク キョウイク ノ ギャクセツ : キョウイク ノ シッチョウ カラ キョウイクガク ノ ハイキ エ

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抄録

 客観的根拠に基づいて教育の研究・実践・政策を一体的に進めようとするエビデンスに基づく教育は、一まとまりの意味システムとして特有の政治的機能を果たす。そのためその教育への批判は、その理論的前提への内在的批判とともに、その実行が再帰的に社会にもたらすものに目を向ける必要がある。教育観の変容を経て成立可能になったエビデンスに基づく教育は、それを要求してきた固有の歴史的・社会的文脈ゆえに教育を変質させ、教育の形骸化や空洞化をもたらすであろう。さらには教育学を廃棄に追い込んでいく可能性もある。

収録刊行物

  • 教育学研究

    教育学研究 82 (2), 202-215, 2015

    一般社団法人 日本教育学会

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