救急医療の即応性に関する分析

  • 高橋 由利子
    祐ホームクリニック 慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科
  • 高木 安雄
    慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科
  • 高橋 武則
    慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科

書誌事項

タイトル別名
  • ANALYSIS OF THE RESPONSIVENESS OF THE EMERGENCY MEDICAL SERVICE SYSTEM TO MODERATE STROKE PATIENTS ADMITTED AS EMERGENCIES
  • 救急医療の即応性に関する分析--脳卒中中等症救急入院患者について
  • キュウキュウ イリョウ ノ ソクオウセイ ニ カンスル ブンセキ ノウソッチュウ チュウトウショウ キュウキュウ ニュウイン カンジャ ニ ツイテ
  • —— 脳卒中中等症救急入院患者について ——

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抄録

本研究は,脳卒中の救急入院患者において,「救急医療の即応性」と病院システム全体を表す「医療提供量」の因果関係を定量的に示すことを目的とした。本研究の対象は,都内A病院において2008年に救急外来を受診し,脳卒中の診断で救急病床に入院した患者144名のうち,48名の中等症の患者である。<br>グラフィカルモデリング無向独立グラフにより「CTまでの時間」「発動医師得点」「救急外来患者数」等の観測変数間の関係をとらえ,その結果をもとに,「救急医療の即応性」「医療提供量」「救急外来受け入れ度」を構成概念とし,構造方程式モデリング(SEM:Structural Equation Modeling)を用いて因果関係を検討した。その結果「救急医療の即応性」は,「医療提供量」と「救急外来の受け入れ度」の双方より同程度の影響を受ける関係が示唆された。また「医療提供量」と「救急外来受け入れ度」は相互関係をもつことが示された。このことより,救急医療の即応性を高めるためには医療提供量と救急外来の受け入れ度,双方の状況をタイムリーにかつ客観的に捉え,外来部門・病棟部門・検査部門等への調整権限を持つ役割機能を設けることが,病院の運営上必要であると考えられた。

収録刊行物

参考文献 (17)*注記

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