糖鎖プロファイリング技術がもたらすパラダイムシフト

  • 平林 淳
    産業技術総合研究所 幹細胞工学研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Development of lectin microarray, an advanced system for glycan profiling
  • 糖鎖プロファイリング技術がもたらすパラダイムシフト : フロンタル・アフィニティ・クロマトグラフィーからエバネッセント波励起蛍光検出法へ
  • トウサ プロファイリング ギジュツ ガ モタラス パラダイムシフト : フロンタル ・ アフィニティ ・ クロマトグラフィー カラ エバネッセントハレイキケイコウ ケンシュツホウ エ
  • — From frontal affinity chromatography to evanescent wave excitation fluorescence detection method —
  • ― フロンタル・アフィニティ・クロマトグラフィーからエバネッセント波励起蛍光検出法へ ―

この論文をさがす

抄録

糖鎖は、遺伝子、タンパク質に次ぐ第3の生命鎖と言われるが、複雑な構造等が障害となり機能の解明は大幅に遅れている。近年、グライコミクスと呼ばれる糖鎖の総合解析が、プロテオミクスの隆盛に後押しされるかたちで進行し出した。その中で、糖鎖プロファイリングと呼ばれる簡易解析法が注目を浴びている。レクチンマイクロアレイは、特異性の異なる数十種の糖結合タンパク質(レクチン)をスライドガラス上にプリントし、蛍光標識された糖タンパク質や細胞抽出液を反応させるという新たな解析手法である。従来法と異なり、糖鎖の遊離と相互分離を必要としない点が利点であり、これにより、細胞の起源や状態を反映した糖鎖プロファイルが迅速、簡便に得られるようになった。レクチンマイクロアレイは、今や、腫瘍マーカー探索、幹細胞品質管理、バイオ医薬品開発等、さまざまなバイオ分野で利用される先鋭技術である。しかし、その実現には先行技術であるフロンタル・アフィニティ・クロマトグラフィーの高性能化とそれを用いた原理検証が必要であった。開発からの10年を振り返る。

収録刊行物

  • Synthesiology

    Synthesiology 7 (2), 105-117, 2014

    国立研究開発法人 産業技術総合研究所

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (28)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ