中学生の味覚と食意識・食行動の関係性(第1報) : 味覚感受性の現状

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タイトル別名
  • Relationship between the Sense of Taste and Food Consciousness/Behaviors of Junior High School Students (Part I) : Results of the Taste Function Test
  • チュウガクセイ ノ ミカク ト ショク イシキ ショク コウドウ ノ カンケイセイ ダイ 1ポウ ミカク カンジュセイ ノ ゲンジョウ

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抄録

本研究は,中学生の味覚と食意識・食行動との関連を探り,今後の食教育についての示唆を得ることを目的とした。本報では中学生の味覚の実態を探るため「五基本味識別」,「甘味と塩味の濃度差識別」,「甘味と塩味の識別」の各官能検査を行なった。1.「五基本味識別」結果では,(1)本調査と同じ試料・濃度を用いて検査した教育学部家政専修の女子大学生の結果とを比較すると,正答・誤答傾向は類似していたが,中学生の方が全ての基本味において,女子大学生よりも正答率が低かった。(2)過半数の生徒が苦味と旨味を正しく判別できなかった。特に旨味は甘味や塩味,苦味と誤答し,他の四基本味に比べて旨味としての認識が弱かった。(3)男子の方が酸味の正答率が女子よりも低かった。2.「甘味と塩味の濃度差識別」結果では,甘味と塩味両方の濃度差を識別できた生徒は23.1%,甘味のみの濃度差を識別できた生徒は13.5%,塩味のみの濃度差を識別できた生徒は29.2%,両方ともできなかった生徒は34.2%であった。3.「甘味と塩味の識別」結果では,甘味・塩味共に識別できた生徒は53.3%,甘味のみを識別できた生徒は21.9%,塩味のみを識別できた生徒は13.7%,両方とも識別できなかった生徒は11.1%であった。本報は,食生活での自立が始まり,食欲も旺盛になる第二次成長期の中学生における味覚官能検査のデータを示し,今後の食教育への足がかりを得ることができた。

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参考文献 (41)*注記

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