出産における温水の使用とPseudomonas putidaの検出

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タイトル別名
  • Pseudomonas putida Detected in Bathtub Water after Underwater Delivery
  • シュッサン ニ オケル オンスイ ノ シヨウ ト Pseudomonas putida ノ ケンシュツ

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説明

  現在の多様化の見られる出産の中でも水中出産は産婦のニーズが高いもののひとつである.産婦においては児娩出後の腟・子宮内や裂傷部位への浴槽水の浸入による感染,新生児においては出生時の浴槽水中の日和見感染原因菌による細菌感染などの危険性が考えられるため,その安全性を細菌学的観点から検討した.2004年に調査に対し同意の得られた東京都内の1助産院で行われた水中出産(7例)に用いた入浴前後の浴槽水,新生児の口腔内液を検体とした.各々において,一般細菌数・大腸菌群数の算出,Staphylococcus属菌,Escherichia coliPseudomonas属菌の検出を行った.1例の対象者を除いて,入浴後浴槽水において一般細菌数の増加がみられた.新生児口腔内液では,産痛緩和群よりも水中出産群で一般細菌数が多く検出された.また,入浴後浴槽水からは,Staphylococcus aureus, E. coli, Pseudomonas putidaが検出された.特に新生児口腔内液1例と入浴後浴槽水3例においてP. putidaが検出され,SpeI-PFGEにおいても相似値が90%以上であったため,共通の汚染源があると考えられた.今回は調査件数が少なく,断片的な調査であったが,母児の健康状態や母体において児娩出時に産道裂傷が起こる可能性や子宮口閉鎖が不完全であることを考慮すると,浴槽水が媒体となり新生児・母体に感染を起こす可能性は十分にあると考えられた.<br>

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