医療従事者における泡状アルコール性手指消毒剤の殺菌効果,塗布面積及び使用感に関する検討

  • 東 桃代
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部呼吸器・膠原病内科学分野 徳島大学病院安全管理対策室感染対策部門
  • 中曽 亜佐美
    徳島大学病院安全管理対策室感染対策部門
  • 西野 さおり
    徳島大学病院安全管理対策室感染対策部門
  • 高開 登茂子
    徳島大学病院安全管理対策室感染対策部門
  • 先山 正二
    徳島大学病院安全管理対策室感染対策部門
  • 加藤 真介
    徳島大学病院安全管理対策室感染対策部門
  • 西岡 安彦
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部呼吸器・膠原病内科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Use of Ethanol-Based Hand Rub Foams in The Clinical Setting
  • イリョウ ジュウジシャ ニ オケル アワジョウ アルコールセイ テサシ ショウドクザイ ノ サッキン コウカ,トフ メンセキ オヨビ シヨウカン ニ カンスル ケントウ

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説明

  世界的に,アルコール性手指消毒剤の必要性が医療現場で強調されている.これまで利用可能であった液状ならびにゲル状手指アルコール性手指消毒剤に加え2011年6月から泡状のアルコール性手指消毒剤(フォーム剤)の使用が国内で可能となった.フォーム剤は,液だれしにくいこと,また塗布範囲が可視化できることから塗り残しの改善効果が期待され注目されている剤形である.そこで今回,我々は従来から当院で使用されているゲル剤を対象とし,フォーム剤の殺菌効果,塗布面積及び使用感に関する検討を行った.殺菌効果は,パームスタンプ法を用いて「細菌数減少の値」また「菌数減少率(%)」を計測した.その結果,菌数減少率は,フォーム剤は65.7%,ゲル剤は59.8%であり殺菌効果は同等であった.また消毒面積の比較では,手背の塗り残し率は,フォーム剤では,0.6±0.79%,ゲル剤では3.2±2.28%(p<0.005)と,フォーム剤で有意に手背の塗り残し率が低かった.またアンケート調査の結果では,フォーム剤では,ゲル剤に比べて塗り広げやすく,また使用感も良いと感じた回答者が多い傾向にあった.今回の我々が行った検討から,医療従事者がフォーム剤を使用した際に,良好な塗布面積が得られ,使用感も良く手指衛生の向上に寄与する可能性を見いだすことが出来たので報告する.<br>

収録刊行物

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