ICT抗菌薬ラウンドの有用性調査

  • 吉田 奈央
    日本医科大学武蔵小杉病院 薬剤部
  • 野口 周作
    日本医科大学武蔵小杉病院 薬剤部 日本医科大学武蔵小杉病院 感染制御部
  • 望月 徹
    日本医科大学武蔵小杉病院 感染制御部 日本医科大学武蔵小杉病院 救命救急センター
  • 上野 ひろむ
    日本医科大学武蔵小杉病院 感染制御部 日本医科大学武蔵小杉病院 看護部

書誌事項

タイトル別名
  • Study of the Effectiveness of Antimicrobial Agent Monitoring by the Infection Control Team
  • ICT コウキンヤク ラウンド ノ ユウヨウセイ チョウサ

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抄録

  病院の感染制御において抗菌薬適正使用は大変重要であり,各施設で様々な取り組みが行われている.日本医科大学武蔵小杉病院(以下,当院)では2004年8月にinfection control team (ICT)発足後,段階的に抗菌薬適正使用強化策を行ってきた.その一環として2010年5月よりICT抗菌薬ラウンド(以下,ラウンド)を実施し,今回その有用性について検討し,若干の知見を得た.2010年5月~2013年3月までにラウンドした387例のうち3日未満の死亡・退院や該当検査未測定,カルテ閲覧が出来なかった症例を除き265例を調査対象とした.ラウンド時に推奨した結果により継続症例,中止症例,変更症例に分け,それぞれ白血球数,CRP及び体温の推移を調査した.中止症例ではCRPのみ有意に低下し,白血球数,体温は低下傾向を示した.継続症例と変更症例では7日目で白血球数,CRPの有意な低下を示した.推奨治療に変更後,菌交代現象や基礎疾患による臨床状況の悪化症例があったが,感染症治療に悪い影響はあたえなかったことから推奨治療は妥当であったと思われる.従って,ラウンドは特定抗菌薬の長期使用抑制,適切な投与量への変更やde-escalationを促し,抗菌薬適正使用と感染症治療に有用であると考える.本結果を踏まえ,今後はより高い水準の抗菌薬適正使用と感染症治療支援に携わっていきたい.<br>

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参考文献 (2)*注記

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