水稲インディカ品種Kasalathに由来する2種類の低リン応答性QTLの,コシヒカリへの集積

書誌事項

タイトル別名
  • Pyramiding of Two Kinds of Phosphorus-deficiency Induced QTLs Derived from an Indica Rice Variety 'Kasalath' to 'Koshihikari'
  • スイトウ インディカ ヒンシュ Kasalath ニ ユライ スル 2シュルイ ノ テイリン オウトウセイ QTL ノ,コシヒカリ エ ノ シュウセキ

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説明

リンは植物の3大栄養素の1つである.施肥されたリンの多くは植物が利用できない不可給態になりやすく,作物は日常的にリン欠乏ストレスに曝されている.リンを効率的に吸収もしくは利用できる品種の作出はリン欠乏ストレスの有効な問題解決の1つになるだけでなく,将来的なリン資源の節約にも寄与するだろう.本研究では,イネのインディカ品種Kasalathの染色体6と染色体8の断片を持つコシヒカリ置換系統(SL)間の交配後代を用いて,2種類のリン欠乏ストレス誘導性QTL, qREP-6qACP-8のコシヒカリへの集積を行った.SL-F2を用いた低リン水耕栽培実験の結果,Kasalath由来のqREP-6qACP-8はそれぞれ根長と下位葉APase活性を増加させ,最上位リン含量においては2QTL間の相互作用が検出された.両QTLをKasalath型で持つSL-F3系統を用いた低リン圃場実験では,穂数と穂重の有意な増加が見られた.これらの結果からQTLピラミディングによるコシヒカリのリン利用能力の向上が示唆された.

収録刊行物

  • 作物研究

    作物研究 60 (0), 31-35, 2015

    近畿作物・育種研究会

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