ジルコニアへの陶材焼付界面の分析

  • 小澤 誠
    日本歯科大学新潟生命歯学部歯科補綴学第2講座
  • 青柳 秀一
    日本歯科大学新潟生命歯学部先端研究センター
  • 渡邉 文彦
    日本歯科大学新潟生命歯学部歯科補綴学第2講座

書誌事項

タイトル別名
  • An Analysis of Fused Interface between Veneering Porcelain and Zirconia

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抄録

目的:イットリア添加部分安定化型ジルコニアおよびセリア添加部分安定化型ジルコニア/アルミナ複合多結晶体の 2種類のジルコニアに対する陶材の焼付界面の結合状態を検討することである.<br>方法:2種のジルコニアプレートに対して前処理因子;未処理,サンドブラストおよび熱処理,陶材の築盛因子;オペーク陶材の有無の条件で陶材を築盛焼成して,20.0(L)×4.0(W)×1.6(T)mmの寸法にジルコニア・陶材複合プレート試料を作製した.これらの試料に陶材側から荷重した3点曲げ試験を行い,さらに破断後のジルコニアと陶材の剥離を観察し,電子顕微鏡観察および焼付界面に対する電子プローブマイクロアナライザによる元素分析を行った.<br>結果:3点曲げ強さでは,いずれの条件にも有意差を認めなかった.剥離の有無はジルコニア間に有意差を認めた(P<0.01).電子顕微鏡像では,セリア添加部分安定化型ジルコニア/アルミナ複合多結晶体で,界面付近に微粒子の偏在を認めた.焼付界面における元素分析では構成元素の偏位は認めなかったが,酸素のみ偏位を認めた.<br>結論:ジルコニア・陶材複合プレートにおいて,いずれの条件下でも複合強度に差はなかった.イットリア添加部分安定化型ジルコニアを用いた際にジルコニアと陶材が剥離を伴う破壊が生じたが,電子顕微鏡像と元素分析の結果から陶材とジルコニアの化学結合の可能性が示唆された.

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参考文献 (48)*注記

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