穿刺吸引法による乳腺腫瘤の診断

書誌事項

タイトル別名
  • CYTOLOGICAL DIAGNOSIS OF MAMMARY TUMORS BY ASPIRATION METHODS
  • センシ キュウインホウ ニヨル ニュウセン シュリュウ ノ シンダン 1 ジド
  • (I) A DEVICE OF AN AUTO-ASPIRATION APPARATUS AND EVALUTION OF ITS DIAGNOSTIC VALUES
  • (I)自動穿刺吸引塗抹装置の開発とその診断的意義

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抄録

乳腺腫瘤の診断は触診といくつかの補助診断法を併用して行われているが,いまだ満足すべきものはない.近年多く用いられている穿刺吸引法による細胞学的診断法は高い診断率をもつことが報告されているが, false negative例が比較的多く,判定に資する材料が,採取する際の種々の原因で,不適切である例が少なくないことが問題点とされてきた.われわれはこの点に鑑み,自動穿刺吸引塗抹装置を開発した.装置はポンプ回路とコントロール回路より構成され,ポンプ回路に吸引用と塗抹用ポンプを容し,電磁弁を介しフットスイッチで作動させるものである.これにより瞬間的断続的陰圧をかけることができ,吸引圧,塗抹圧も一定に選択設定できる特徴をもつ.<br>本装置とone hand型穿刺吸引器を比較すると,その細胞集量は本装置使用のほうが悪性疾患,良性疾患例ともに多く,硬癌のような従来細胞集量が少ないとされていた症例でも診断は比較的容易である.また穿刺は針で直接腫瘤を穿刺するために対象が小腫瘤であっても的確に施行しうる.<br>本装置による穿刺吸引法で得られた細胞は,良性,悪性の診断のほかに組織型や良性悪性境界領域腫瘍の判定をも可能なものとし,早期癌診断のためには不可欠なものと考えられる.

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