大腸早期癌手術例の検討

書誌事項

タイトル別名
  • SURGICAL CASES OF EARLY CANCER OF THE COLORECTUM
  • ダイチョウ ソウキ ガン シュジュツレイ ノ ケントウ

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説明

過去4年間に教室で経験した大腸癌手術例は145例で,そのうち早期癌は13例(9%)である.腫瘍の占居部位はS状結腸4例,直腸9例である.形態はIp型5例, Is型7例, IIa型1例で,最大径2.0cm以下が9例であったがIIa型の1例は5.0cm大のm癌であった.手術は13例中12例にリンパ節郭清を含めた根治手術を行なった.組織型は高分化腺癌12例,中分化腺癌1例であり, 3例に“Carcinoma in adenoma”の所見を認めた. sm癌5例中3例に脈管侵襲を認め,またn2 (+)のリンパ節転移を1例に認めたが,この症例はRbに発生した2.0cm大Is型の中分化腺癌であった.診断としては組織型やfocal carcinomaの検索と深達度診断のため可能な限り内視鏡的ポリペクトミーを行なうべきと思われた.治療方針としては, m癌に対してはポリペクトミーや局所切除で十分であり, sm癌に対しては脈管侵襲やリンパ節転移がみられたことから原則として根治手術を行なうべきであると考える.

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