胃腺扁平上皮癌(Adenosquamous carcinoma)の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A CASE OF ADENOSQUAMOUS CARCINOMA OF THE STOMACH
  • イセン ヘンペイ ジョウヒ ガン Adenosquamous carcinom

この論文をさがす

抄録

当科の胃癌手術症例359例のうち胃癌取扱い規約に基く特殊型胃癌は,腺扁平上皮癌1例, 0.28%であった.<br> 症例は42歳,主婦,下血にて発症した.近医で諸検査を受けたが出血源は不明とされ, 6ヵ月後背部痛を伴うようになって再度検査を受けた結果,胃粘膜下腫瘍を疑われて当科へ紹介された.<br> 当科入院時貧血が著明であり, X-P, 内視鏡で胃体上部大変に潰瘍を伴った隆起性病変を認め,生検により胃の腺扁平上皮癌と診断された.<br> 開腹時,腹水少量を認め,細胞診Class Vであった.手術時所見MC, Maj, Borrmann 1, P0H0S2N4, 肉眼的進行度Stage IVの進行癌に対しReductionの目的で胃全摘を行い,延命効果を期待した.切除標本の病理組織学的検討により腺扁平上皮癌が確認された.術後OK-432及びLinac 3,800 Rの照射を行ったが,徐々に腹水貯溜を認め,全身状態不良となり,術後2ヵ月にて死亡した.穿刺腹水細胞診にてClass Vであり,癌性腹膜炎と考えられた.<br> 以上の胃腺扁平上皮癌の一手術例について若干の検討を加えて報告した.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ