手術不能胃癌患者における免疫学的パラメーターの臨床免疫学的検討

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  • CLINICAL IMMUNOLOGICAL STUDIES ON IMMUNOLOGICAL PARAMETERS IN INOPERABLE GASTRIC CANCER PATIENTS
  • シュジュツ フノウ イガン カンジャ ニ オケル メンエキガクテキ パラメータ

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抄録

悪性腫瘍患者に対する免疫療法を効果的に行うためには治療経過中に担癌患者の免疫能,特に腫瘍免疫上重要な細胞性免疫の状態を把握し予後を推定することのできる信頼にたる免疫学的パラメーターを持たねばならない.現在一般で広く用いられている免疫学的パラメーターの再評価を目的として,溶連菌製剤OK-432とFT 207による免疫化学療法が2ヵ月以上施行された手術不能胃癌患者41例において治療開始前,開始後定期的に末梢血リンパ球数とそのT-cell比, purified protein derivarate (PPD), phytohaemoaglatinin (PHA), polysaccharide extracted from Su-strain of streptococcus pyogens (Su-Ps)による皮内反応,溶連菌菌体凝集抗体価が測定され,それぞれ患者の生存期間,生存率との関連について統計学的に再検討された.治療開始後2ヵ月において測定した免疫学的パラメーターでは,末梢血リンパ球のT-cell比, PHA皮内反応以外すべての色疫学的パラメーターが正常値を示した症例はその他の症例に比較し有意に優れた予後を示した.なかでも, OK-432と密接な関連をもつSu-PSによる皮内反応と溶連菌菌体凝集抗体価は,担癌患者の生存期間,生存率を最も忠実に反映しているので, OK-432の免疫療法において推賞できる免疫学的パラメーターと考えられる.

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