魚の住みやすい川づくりに資する魚類の生息分布とその場の流速

  • 鈴木 興道
    社団法人 土木学会 建設省東北地方建設局 元 建設省土木研究所 河川環境研究室

書誌事項

タイトル別名
  • RELATIONSHIP BETWEEN STANDRAD LENGTH AND PREFERRED WATER VELOCITY ON FRESHWATER FISH FOR NATURALLY DIVERSE RIVER CONSTRUCTION METHODS
  • サカナ ノ スミヤスイ カワズクリ ニ シスル ギョルイ ノ セイソク ブンプ

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抄録

魚類の体長と選好流速との関係を明らかにするため, 自然河川において魚類の採捕とその場の流速測定を行った. スゴモロコとウグイの標準体長40mm以下の稚魚は, 流速5cm/sec以下の表層付近を遊泳し, 体長40mm以上に達すると急速に中~高流速帯の中~底層へと生息域を広げ, 成魚とほぼ同じ流速域を遊泳していた. ブルーギルとヨシノボリは, 稚魚~成魚の大半が流速3cm/sec以下の流速域を遊泳していた. コイ, フナ, カワムツ, においても同様に, 稚魚は流速5cm/sec以下の微流速域を好んで遊泳し, 成魚期にさしかかると急速に生息域を広げる事が認められた. オイカワは体長40mmを越えると既に早瀬に出現していた. これらの結果は, 魚の住みやすい川づくりを考える場合, 特に稚魚の生息域となる抽水植物帯や浮き石帯河床の必要性を示す基本的な資料になるものと考えられる.

収録刊行物

  • 土木学会論文集

    土木学会論文集 1998 (593), 21-29, 1998-05-21

    公益社団法人 土木学会

被引用文献 (10)*注記

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参考文献 (31)*注記

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