東日本大震災における災害廃棄物処理に対する制度の影響

  • 多島 良
    (独)国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センター
  • 大迫 政浩
    (独)国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センター
  • 田崎 智宏
    (独)国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Impact of Institutions on the Management of Disaster Wastes in the Great East Japan Earthquake
  • ヒガシニホン ダイシンサイ ニ オケル サイガイ ハイキブツ ショリ ニ タイスル セイド ノ エイキョウ

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説明

本稿は,東日本大震災における災害廃棄物処理の進捗に対して,通達等の行政内規を含む諸制度が与えた影響を明らかにすることを目的とした。このために,制度の特徴を整理したうえで,政策実施プロセスモデルを用いて実際の制度運用実態を分析した。その結果,国の処理戦略の提示と許可・届出の簡素化は行政マネジメントに,処理方法の緩和と要求,および適正保管の依頼は処理プロセスに,委託制約の緩和と国庫補助の枠組み構築に関する制度対応は行政マネジメントへの作用を介して処理プロセスに影響することで,処理進捗に影響したことがわかった。また,国による制度対応に加え,各市町村で柔軟な制度運用が行われたことで,処理が進捗したことも明らかとなった。さらに,一部の制度対応に起因する事務負担増大が招く処理進捗への悪影響を回避する上で,発災後の迅速な制度対応や,自治体の事務対応能力向上が有力であると示唆された。

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