教育装置・「実体験ラボ」 : ヒューマンスケールからの空間デザイン

書誌事項

タイトル別名
  • The Concept of the Educational System; "Real Experience Laboratory" : Space Design Imaged from Human Scale
  • キョウイク ソウチ ジッ タイケン ラボ ヒューマンスケール カラ ノ クウカン デザイン

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抄録

教育装置・「実体験ラボ」は、武庫川女子大学生活環境学部生活環境学科生活デザインコースおよび建築デザインコースと、同短期大学部生活造形学科インテリアコースが共有する演習・実習室である。このラボの内容、これを用いたデザイン教育の考え方を報告・紹介している。実体験ラボは、女性の感性を伸ばすという観点から見て、従来の建築教育に欠けているところを補うことに目的を置いて提案された。形態の魅力と生活行為との調和の両方を兼ね備えた、インテリア、インテリアエレメントをはじめとする空間デザイン教育に活用する。ラボは、900×900mmグリッドにのった、可動壁と可動天井を備え、グリッドが眼に見えるように、900mm間隔にドットが埋め込まれている。これらによって,数値としての寸法と、空間のスケールおよびボリュームとの関係を実体験によって把握しやすくしている。また、ラボには,名作といわれるモダンデザインの椅子が設置されている。実体験による感性の刺激をデザインの出発点として位置づけている。このとき実感する事柄を,自らが分析・整理する。次に欠点と思われるところを、改良し、好ましいところを強調・発展させて、自分のデザインによる椅子を提案するというプロセスを採る。このような考え方・方法で、可動壁・可動天井と椅子を併用することで、インテリアエレメントだけでなく、それらを含むインテリア空間をデザインすることを目的としている。

収録刊行物

  • 芸術工学会誌

    芸術工学会誌 50 (0), 104-107, 2009

    一般社団法人 芸術工学会

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