鳥取砂丘における最近60年間の海浜植生変化と人為インパクト

書誌事項

タイトル別名
  • Vegetation change and human impacts in Tottori sand dunes during last 60 years
  • トットリ サキュウ ニ オケル サイキン 60ネンカン ノ カイヒンショクセイ ヘンカ ト ジンイ インパクト

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抄録

北鳥取砂丘は現在,国の天然記念物や国立公園に指定されており,多くの観光客を受け入れている.しかし,戦後の一時期には砂丘に全面的に植林する計画があり,今日の状態に至るには紆余曲折があった.本研究では,旧版地形図と空中写真読図,鳥取砂丘で過去に行われてきた研究報告と新たな調査をもとに,第二次大戦後の鳥取砂丘の植生変化について論じた.現在残る鳥取砂丘の面積は,100年前の面積の約12%であった.鳥取砂丘の植生は第二次大戦後から現在まで,コウボウムギとケカモノハシが最優占し,その基本構造は維持されていた.鳥取砂丘の植生配置は,A.海浜型砂丘植生地帯,B.無植生地帯,C.凹地植生帯,D.内陸型砂丘植生地帯として認識された.しかし砂丘内には非海浜生の植物が増え,毎年の除草が欠かせなくなるなどの変化が生じた.これらは社会構造の変化と関係していることを論じた.鳥取砂丘の植生と地域社会の動き,両者は強く結びついていることを認識し,これからの鳥取砂丘のあり方を考えていく必要がある.

収録刊行物

  • 景観生態学

    景観生態学 19 (1), 15-24, 2014

    日本景観生態学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (4)*注記

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