戦後民主化と家族の情緒

DOI
  • 本多 真隆
    慶應義塾大学大学院社会学研究科後期博士課程

書誌事項

タイトル別名
  • Postwar Democratization and Family Emotion: A Comparison between the “Japanese Family System” and the “Democratic Family”
  • Postwar Democratization and Family Emotion: A Comparison between the ^|^#x201C;Japanese Family System^|^#x201D; and the ^|^#x201C;Democratic Family^|^#x201D;
  • —「家族制度」と「民主主義的家族」の対比を中心に—

抄録

敗戦直後の家族研究は,「制度から友愛へ」という図式に象徴されるように,戦前と戦後の家族の対比を,後者の「民主主義的家族」の情緒的関係を強調する形で描いたとされる.しかし,家族関係に民主主義の理念を適用する「民主主義的家族」は,「明るくなごやか」な家族なのだろうか.本稿は「家族の民主化」論における,「家族制度」と「民主主義的家族」の対立を,家族の情緒的関係を中心に検討する.その結果,当時の家族研究者は「家族制度」を情緒的な空間とみなし,「民主主義的家族」に適用される「権利義務」や「主体性」といった「民主主義」の理念を,家族の情緒的関係と緊張関係にあるとしていたことが明らかになった.いわばその対立は,「明るくなごやかでありえた家族制度」と「必ずしも明るくなごやかにならない民主主義的家族」というものだった.結論部では,本稿でとらえ直した枠組みのもと,「家族の民主化」論の限界と可能性について考察した.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205316695936
  • NII論文ID
    130004714122
  • DOI
    10.4234/jjoffamilysociology.25.64
  • ISSN
    18839290
    0916328X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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