波崎海岸において過去50年間に生じた二つの大規模汀線前進

  • 伴野 雅之
    国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術研究所 沿岸環境研究領域
  • 栗山 善昭
    国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術研究所
  • 武若 聡
    筑波大学 システム情報系

書誌事項

タイトル別名
  • LARGE SCALE SHORELINE ADVANCEMENT ON THE HASAKI COAST IN THE PAST 50 YEARS
  • ハサキ カイガン ニ オイテ カコ 50ネンカン ニ ショウジタ フタツ ノ ダイキボ テイセン ゼンシン

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説明

茨城県波崎海岸における1961年から2013年までの汀線変動を整理し,波崎海岸において過去に二つの大規模な汀線の前進が生じていたことを明らかにした.この期間の海岸全体の平均汀線前進量は70 m以上であった.第一の大規模な前進は鹿島港建設時に発生した土砂の海洋投入直後の1969年から1984年に海岸北部を中心に生じたもので,土砂の海洋投入によって漂砂系内の土砂量が増加したことによるものと考えられた.第二の大規模な前進は第一の前進が収束して約10年が経過した1993年以降に海岸南部を中心に生じたもので,主に沖から岸へ土砂が移動したことによるものと考えられた.特に2002年以降の汀線の前進は海岸南部で顕著であり,これは海岸全体で生じていた大きな時計回りの循環流に伴う土砂移動がヘッドランドによって捕捉されたためであると推測された.

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