心臓外サルコイドーシス症例の心臓病変早期検出における心臓MRI の有用性

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タイトル別名
  • Late Gadolinium Enhancement Cardiac Magnetic Resonance in Detection of Cardiac Involvement and its Prognostic Implication in Patients with Extracardiac Sarcoidosis
  • シンゾウ ガイ サルコイドーシス ショウレイ ノ シンゾウ ビョウヘン ソウキ ケンシュツ ニ オケル シンゾウ MRI ノ ユウヨウセイ

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抄録

サルコイドーシスにおいて,心病変の存在は最大の予後規定因子であるとされている.近年画像診断の進歩により,心臓MRI遅延造影(Late gadlinium enhancement-cardiac magnetic resonance: LGE-CMR)を用いた心病変の早期検出と予後への寄与を算出できる可能性が見出された.今回我々は,心臓外病変で組織学的あるいは臨床的にサルコイドーシスと確定診断され,特に胸部症状を認めず,左室駆出率も保たれた連続した57例を登録し,LGE-CMRを施行した後に約2年間前向きに観察した.結果,8例がLGE-CMR陽性であり,様々な造影パターンを認めた.LGE-CMR陽性群は陰性群と比較して血清ACE値が低値であった他は罹患臓器数,罹患期間,ステロイド使用の有無に差を認めなかった.観察期間内の評価では,死亡例は肺病変によるLGE-CMR陰性群の1例のみであり,全死亡,心臓死,症候性不整脈,心不全発症に関して,両群で有意な差を認めなかったが,LGE-CMR陽性群のうち,1例で高度房室ブロックにより,ペースメーカー植え込み術が施行され,1例でステロイド治療の開始により半年後のLGE-CMR所見の改善を認めた.結論として,無症候の段階でのLGE-CMRによる心病変の早期検出および,早期介入の可能性は期待できるが,こうした潜在例では中期的な予後は比較的良好と考えられた

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