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- 熊谷 直男
- 北海道大学
書誌事項
- タイトル別名
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- 現象学について--特に幾何学との関聯にふれて
- ゲンショウガク ニ ツイテ トクニ キカガク ト ノ カンレン ニ フレテ
- 特に幾何学との関聯にふれて
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説明
現象学は各々の事象を確定するためのあらゆる方法に先立って一つの方法を、即ち「現象学的領野」の全体を把捉的視向のなかへもたらすための一つの方法を必要とする.これが特に「超越論的」と呼ばれる種類の還元であって、 この還元の様々な道として描かれるものは、右の領野への導入 (若しくは招待) のための異なる道と言うことが出来るであろう。そして異なる導入仕方の背後には当然異なる問題意識が予想されるわけであって、この問題意識の点から見るならば、年代的になにがしかの深化、発展を見ることも出来るのであるが、一旦導入された後にひらける此の領野の展望に関して言えば、基本的には特に変化がないというのが私のフッサールに対する観方である。即ち此の領野は、 世界及び世界のうちに出会われる諸事物への関わり (それらをありとすることをも含めて) を以て本質とする如き純粋主観性の領野であり、具体的に展開されれば、様々な相関関係の領野である.さて此の現象学的還元及びそれによって到達される現象学的観方の特質については、一部既に他の機会に論述したことがあり (『現象学が拓いたもの』哲学雑誌、第八五巻、第七五七号)、又この点に直接或いは間接に関係する諸問題 (「身体」や「相互主観性」の問題をも含む) に就いてもすでに多くの人々が様々な角度から論じているので、此の論文では立ち入らない。私がここで取上げたいと思うのは寧ろ、比較的問題とされることの少ないいま一つの還元、即ち「形相的還元」或いは「イデー化」に関係する若干の諸問題である。
収録刊行物
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- 哲学
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哲学 1975 (25), 54-70, 1975-05-01
日本哲学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205322596480
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- NII論文ID
- 130003661008
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- NII書誌ID
- AN00150419
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- ISSN
- 18842380
- 03873358
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- NDL書誌ID
- 1548998
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可