内部統制監査の導入初年度の経験と課題

書誌事項

タイトル別名
  • The Experience and Issues in the First Year of Internal Control Audit
  • ナイブ トウセイ カンサ ノ ドウニュウ ショネンド ノ ケイケン ト カダイ

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抄録

内部統制報告制度による初年度の内部統制監査が終了した。本稿は,内部統制監査の現場における経験と課題を報告することを目的としている。内部監査人の作業の利用は,特に業務プロセスに係る内部統制のテストの領域で期待が大きい。内部監査のさらなる利用が,内部統制報告制度の充実のため必要であるが課題も多い。監査の実効性を上げるために監査役又は監査委員会と監査人の連携が重要であり,会社法および金融商品取引法の中での監査役又は監査委員会の内部統制の枠組みを同じにするなどの再検討が必要ではないかと考える。日本公認会計士協会は,金融担当大臣に金融商品取引法と会社法に基づく監査制度の一元化の検討を要請している。重要な欠陥が存在した企業の割合は,2009年3月期決算会社2,670社のうち56社(2.1%)にとどまり,日本の内部統制報告制度は,先行した米国の制度を参考に円滑な導入に努力が払われた結果ではないかと考えられる。

収録刊行物

  • 現代監査

    現代監査 2010 (20), 62-69, 2010

    日本監査研究学会

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