糖尿病足病変の予防:糖尿病専門医の立場から

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  • トウニョウビョウ ソク ビョウヘン ノ ヨボウ : トウニョウビョウ センモンイ ノ タチバ カラ

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抄録

糖尿病の足病変は,胼胝や爪の変形など軽度の変化から足潰瘍まで幅広く,しばしば治療に難渋する.足潰瘍まで進行すると,QOLも生命予後も不良となる.足潰瘍は,糖尿病性神経障害,血流障害,易感染性を基礎病態として,視力障害や負荷のかかる履物の使用など日常生活上のリスクが加わって発症する.足潰瘍の治療法は著しく進歩しているが,潰瘍発症前の段階で発見して,進行を予防するのが最善策である.そのためには,糖尿病患者そのものを減らす,血糖コントロールを良好に保って基礎病態や網膜症などを予防する,などの一次予防から,靴擦れや胼胝や足白癬菌症の段階で処置する二次予防の段階が重要である.しかし,通常この段階の患者は糖尿病診療の内科医にのみ通院している.内科医は血糖コントロールを第一義に考え,患者が訴えない限り靴と靴下をとって足を実際に見ることは少なく,足病変の早期発見が難しい.内科医師だけでは困難な現状の打開策として,足病変の重症化予防としてチーム医療が進んでいる.糖尿病を診る内科医の視点から,足病変・足潰瘍の予防的フットケアとして,内科医が行うことができる新しいアプローチの提案を含めて概説する.

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