高塩濃度冠水環境におけるカルシウムシリケート水和物の安定性に関する研究

  • 千田 太詩
    東北大学大学院工学研究科量子エネルギー工学専攻
  • 船橋 泰平
    東北大学大学院工学研究科量子エネルギー工学専攻
  • 齋藤 雄太
    東北大学大学院工学研究科量子エネルギー工学専攻
  • 新堀 雄一
    東北大学大学院工学研究科量子エネルギー工学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Stability of calcium-silicate-hydrate in the condition saturated highly saline water
  • コウエン ノウド カンスイ カンキョウ ニ オケル カルシウムシリケート スイワブツ ノ アンテイセイ ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

本研究では,放射性廃棄物処分場の高塩濃度冠水環境におけるカルシウムシリケート水和物(C-S-Hゲル)の生成および安定性について検討した.乾燥過程を経ないC-S-Hゲルを用い,NaCl濃度(0-600 mM)およびCa/Si比(0.4-1.6)をパラメータとしてC-S-Hゲル生成および安定性を調べた結果,いずれのCa/Si比においてもNaCl濃度にほとんど依存することなくC-S-Hゲルが生成することが示された.また,ラマン分光分析から,C-S-Hゲルを構成するsilicate chainの重合度はNaCl濃度に影響されず,C-S-Hゲル構造に変化は生じないことが明らかになった.これらのことは,高塩濃度環境にあっても冠水状態のC-S-Hゲルが塩水影響による変質を生じることなく安定に存在するとともに,二次鉱物としてのC-S-Hゲル生成も淡水条件と同様に生じることを意味する.

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