光照射がチャ培養細胞のアスコルビン酸含量及び抗酸化系酵素活性に及ぼす影響

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of Light Illuminations on the Ascorbate Content and Antioxidative Enzyme Activities in Suspension-cultured Tea (<i>Camellia sinensis</i> L.) Cells
  • ヒカリ ショウシャ ガ チャ バイヨウ サイボウ ノ アスコルビンサン ガンリョウ オヨビ コウサンカケイ コウソ カッセイ ニ オヨボス エイキョウ

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説明

異なる光環境がチャ培養細胞の抗酸化能に及ぼす影響を調査するため,チャ懸濁培養細胞を赤色LED(650~670 nm),青色LED(450~470 nm),赤色+青色LED並びに白色蛍光灯の4つの光照射区(光合成有効光量子束密度100μmol m-2 s-1)と,非照射(暗所)区で7日間培養した。その結果,いずれの光照射区においても,生育量は暗所区の半分以下となり,膜脂質過酸化量は有意に増加した。また,アスコルビン酸含量は,青色LED区,赤色+青色LED区および蛍光灯区で高かった。一方で,アスコルビン酸分解により生成するシュウ酸の含量は,赤色+青色LED区と蛍光灯区のみで処理開始時より有意に高い値を示した。一方,カタラーゼ活性は,赤色LED区と暗所区において処理開始時と変化しなかったのに対して,青色LED区,赤色+青色LED区および蛍光灯区で低くなった。また,アスコルビン酸ペルオキシダーゼ活性は全ての処理区において処理開始時と変わらず,スーパーオキサイドディスムターゼ活性は赤色LEDと赤色+青色LEDのみで処理開始時より低くなった。以上のことから,チャ培養細胞では,青色光の照射がカタラーゼ活性の抑制を通じてアスコルビン酸生成を誘導する,または直接アスコルビン酸生成を促進する可能性が示唆された。

収録刊行物

  • 茶業研究報告

    茶業研究報告 2011 (111), 111_51-111_62, 2011

    日本茶業学会

参考文献 (19)*注記

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