炭疽病及び輪斑病に抵抗性を有する煎茶用品種‘はるのなごり’の育成

書誌事項

タイトル別名
  • The Cultivation of ‘Harunonagori’ for Green Tea which is Resistant to Tea Anthracnose and Tea Gray blight
  • タンソビョウ オヨビ リン ハンビョウ ニ テイコウセイ オ ユウスル センチャ ヨウヒンシュ ハル ノ ナ ゴリ ノ イクセイ

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抄録

‘はるのなごり’は,1986年に宮崎県総合農業試験場茶業支場において,‘埼玉1号’を種子親,‘宮崎8号’を花粉親として交配した中から選抜し,2008年に品種登録出願し,公表されたやや晩生の煎茶用品種である。 <br>1998年から2006年まで‘宮崎25号’の系統名で16場所で系適試験,2場所で特性検定試験(もち病,裂傷型凍害)が実施された。 <br>その結果,炭疽病及び輪斑病に抵抗性を有し,晩生で収量及び品質が優れることから普及に移し得ると判断され,2008年10月20日に種苗法に基づく品種登録出願を行い,同年12月19日に公表された。 <br>‘はるのなごり’の特性の概要は次のとおりである。 <br>1)一番茶の萌芽期は,‘やぶきた’より4日程度,摘採期は3日程度遅いやや晩生品種である。 <br>2)樹姿はやや開張型,樹勢はやや強,株張りは‘やぶきた’より大きい。 <br>3)耐病性は,炭疽病には強,輪斑病にはやや強,もち病には中である。 <br>4)クワシロカイガラムシに対する抵抗性は中で,‘やぶきた,かなやみどり’より優れる。 <br>5)耐寒性は,赤枯れにはやや強,裂傷型凍害にはやや弱~中である。 <br>6)収量は‘やぶきた’より多い。 <br>7) 煎茶品質は,‘やぶきた’と同程度で,‘かなやみどり’より色沢,香気が優れている。

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参考文献 (1)*注記

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