肢位の違いが下肢皮膚灌流圧に与える影響

  • 川﨑 東太
    佐賀大学大学院医学系研究科 国際医療福祉大学福岡リハビリテーション学部 理学療法学科
  • 上村 哲司
    佐賀大学医学部 形成外科
  • 松尾 清美
    佐賀大学医学部 地域医療科学教育研究センター
  • 村田 知之
    佐賀大学大学院医学系研究科

書誌事項

タイトル別名
  • シイ ノ チガイ ガ カシ ヒフカンリュウアツ ニ アタエル エイキョウ

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説明

要旨:疼痛や潰瘍がある重症虚血肢患者が,就眠時にベッドから下肢を下ろしている場面を見かけることがある.これは虚血からくる下肢の痛みを軽減させるために行っていると理解されているが,この肢位がどの程度下肢の血流に影響を与えているのかわかっていない.本研究の目的は,肢位の違いによる下肢の皮膚灌流圧の影響を調べ,それを臨床の場で活用することである.対象者は健常成人10 人を対象に,仰臥位,下肢挙上位,20°背上げ,端座位の4 肢位で,下肢の皮膚灌流圧の測定を行った.測定部は右下肢の足背・足底の2 箇所とした.足背・足底とも端座位時に有意な上昇を示し,次いで背上げ,仰臥位,下肢挙上位の順となった.背上げを20°行うと仰臥位や下肢挙上位と比較して,下肢末梢皮膚灌流圧は有意に上昇した.今回の結果より,周術期の患者管理,特に下肢の末梢動脈に問題がある患者において,肢位の違いで下肢の血流が影響される可能性がある.

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