難治性創傷に対するマゴットセラピー(医療用無菌ウジ治療)

  • 宮本 正章
    日本医科大学付属病院循環器内科・高気圧酸素治療室
  • 高瀬 仁志
    日本医科大学付属病院循環器内科・高気圧酸素治療室 株式会社バイオセラピーメディカル
  • 桐木 園子
    日本医科大学付属病院循環器内科・高気圧酸素治療室
  • 高木 元
    日本医科大学付属病院循環器内科・高気圧酸素治療室

書誌事項

タイトル別名
  • Maggots therapy for refractory wound (treatment of medical aseptic larvae)
  • ナンチセイ ソウショウ ニ タイスル マゴットセラピー(イリョウヨウ ムキン ウジ チリョウ)

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説明

わが国において難治性創傷に対する医療用無菌ウジを用いるマゴットセラピーを臨床応用し,さらに発展・普及させるために大学発バイオベンチャーを起業した.マゴットセラピーは,debridement 効果に優れ,抗菌ペプチド等により感染症例に対して極めて有効であり,その驚くべき短時間での健康肉芽増殖効果により創傷治療期間の大幅な短縮をもたらしている.さらに医療用無菌ウジが,①逃げない,②外から見えない,さらに③痛みが少ない,④着脱が簡単,という特徴を有し,高分子バッグに医療用無菌ウジを封入し,静置するだけの“マゴットバッグ”を開発し,その臨床応用を開始している.当科でのマゴットセラピー実施159 症例の予後に関しては,平均追跡期間7.1±0.2 年において,下肢温存率91.8%,生存率91.2%と極めて良好であった.特に血流不全のない糖尿病足壊疽症例ではいかなるイベントも認めず,安全・有効に施行可能であった.自費診療という欠点を克服すれば大いに認知され得る簡便で誰にでも実施可能な優れた創傷治療法であると思われる.

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参考文献 (5)*注記

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