耐寒性に優れ,煎茶,かぶせ茶及び玉露として高品質多収な早生品種‘きらり31’の育成

書誌事項

タイトル別名
  • ‘Kirari31’ : A New Green Tea Cultivar for Sencha, Kabusecha, and Gyokuro
  • タイカンセイ ニ マサレ,センチャ,カブセ チャ オヨビ ギョクロ ト シテ コウヒンシツ タシュウ ナ ワセ ヒンシュ'キ ラ リ 31'ノ イクセイ

この論文をさがす

抄録

‘きらり31’は,1994年に宮崎県総合農業試験場茶業支場において,‘さきみどり’を種子親,‘さえみどり’を花粉親として交配した実生群から選抜された早生の緑茶用品種である。<br>2004年から2012年まで‘宮崎31号’の系統名で15場所で系適試験及び県単等による地域適応性試験,2場所で特性検定試験 (もち病,裂傷型凍害) が実施された。その結果,‘きらり31’は煎茶,かぶせ茶や玉露のいずれにおいても品質が優れ,早生でありながら耐寒性が優れ,輪斑病にも抵抗性を有し,収量も多いことから普及に移し得ると判断され,2013年12月に種苗法に基づく品種登録出願を行い,2014年5月に品種登録出願公表された。<br>‘きらり31’の特性の概要は次のとおりである。<br>1) 一番茶の萌芽期は,‘やぶきた’より4日程度,摘採期は3日程度早い早生品種である。<br>2) 樹姿は中間型,樹勢は強,株張りは‘やぶきた’より大きい。<br>3) 耐寒性は,裂傷型凍害には‘強’で,越冬芽の凍害率は‘やぶきた,さえみどり’より低く,赤枯れや青枯れにも‘やぶきた’より強い。<br>4) 耐病性は,輪斑病にはやや強,炭疽病,もち病には‘弱’,赤焼病には‘やや弱’である。<br>5) クワシロカイガラムシに対する抵抗性は‘極弱’である。<br>6) 収量は‘やぶきた,さえみどり’より多く,一番茶の新芽は萌芽後21日目の早い時期から27日目まで‘さえみどり’より葉色が濃い。<br>7) 製茶品質は,煎茶,かぶせ茶や玉露ともに‘やぶきた,さえみどり’と同等以上に優れ,特に色沢,香気,水色が優れる。

収録刊行物

参考文献 (1)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ