日本プライマリ・ケア学会の専門医・認定医制度

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  • ニホン プライマリ ケア ガッカイ ノ センモンイ ニンテイイ セイド

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説明

 日本プライマリ・ケア学会の認定制度は経過措置認定医を1993年6月に開始することから始まった. 一定資格を満たし, 事例報告をした会員を認定医として経過措置による認定を行ったが, 2001年からは客観的臨床能力試験 (OSCE) 用いた実技試験による認定医本認定制度に移行した. 現在の専門医にある症例報告による書面審査+筆記試験+実技試験のうちの書面審査+実技審査とほぼ同様の試験内容で実施された. 厚生労働省の専門医の広告解禁処置を受け, 2005年より従来の書類審査+実技試験+筆記試験による本認定医を専門医とし, 新たに研修歴と症例報告書による書類審査並びにMEQ (Modified Essay Question) による筆記試験に合格したものを認定医とする二段階の制度となっている. 試験方式などはすべて日本プライマリ・ケア学会のホームページで公開している. <br> 専門医・認定医制度を制定した1993年は初期研修の必修化前であり, 当時のスーパーローテート研修方式を骨格とした時代に先駆けた研修要件であった. 現在の初期研修修了者は最低2年間の中規模以上の病院または病院群における幅広い研修は満たされるようになっているが, 地域包括医療を実践している保健・医療・福祉施設群での1年以上の研修を行いトータルで80時間以上の地域包括医療を研修することを求めている. 現在の総合病院で勤務をしながら, 地域包括医療の研修経験に基づき受験資格を得ることができるような柔軟な構造としている. しかしながら, 書類審査では認定医は外来症例ならびに地域活動の詳細症例10例についての報告を求めているのに対し, 専門医は外来症例10例に加えて病棟における10例の詳細症例と全部で50例の症例リストを求め, 研修経験を厳格に評価するようになっている. MEQはCommon disease, 小児, 高齢者, メンタルケア, 在宅, 患者教育・health problem, 緩和ケアの7領域から7題出題 (必須3代, 選択4題) し, うち5題に回答する形式で行ってきた. 実技試験は, 心理社会的問題, 高齢者, 小児, 成人, 外科手技, ACLSなどの8ステーションで実施してきた. <br> 専門医・認定医の更新については生涯学習・研究・活動の証としての学会参加などで50単位 (本学会参加が10単位など必須30単位) を求め, さらに更新時の6症例の詳細報告を求めている.

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