多彩な臨床症状を呈し, 皮膚生検にて診断を得たアジア変異型の血管内大細胞型B細胞リンパ腫の1例

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  • 症例報告 多彩な臨床症状を呈し,皮膚生検にて診断を得たアジア変異型の血管内大細胞型B細胞リンパ腫の1例
  • ショウレイ ホウコク タサイ ナ リンショウ ショウジョウ オ テイシ ヒフセイケン ニテ シンダン オ エタ アジア ヘンイガタ ノ ケッカン ナイ ダイ サイボウガタ B サイボウ リンパ シュ ノ 1レイ

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抄録

 アジア変異型血管内大細型B細胞リンパ腫 (Asian variant of intravascular large B-cell lymphoma 以下AIVL) は多彩な臨床症状を呈し, 腫瘍細胞が全身臓器の小血管内に増殖することを特徴とする比較的まれなリンパ腫である. 症例は85歳女性. 意識障害と腹痛を主訴に当院へ紹介入院となった. 低酸素血症を呈し, 画像上肝脾腫を認めたが, リンパ節腫脹はなかった. 盲目的皮膚生検にてAIVLと診断した. 全身状態は急速に悪化し第10病日に死亡した. 剖検ではほぼ全臓器, 全組織の小血管内に腫瘍細胞が塞栓状に増殖していた. 一般に血管内大細胞リンパ腫 (intravascular large B-cell lymphoma 以下IVL) は多彩な臨床症状を呈するため, プライマリー・ケア医が担当することがあると考えられる. 短期間のうちに全身状態が悪化する症例もある一方, 化学療法が奏功する例も少なからず知られている. 中高齢者に原因不明の血球減少, 発熱, 低酸素血症や神経症状を認めた場合, IVLは重要な鑑別疾患である.

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