小児期の放射線療法の晩期合併症としての慢性腸間膜動脈閉塞症の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case report of chronic mesenteric artery occlusion as late side effect of childhood radiation therapy
  • 症例報告 小児期の放射線療法の晩期合併症としての慢性腸間膜動脈閉塞症の1例 : 小児がん経験者のフォローアップについての課題
  • ショウレイ ホウコク ショウニキ ノ ホウシャセン リョウホウ ノ バンキ ガッペイショウ ト シテ ノ マンセイ チョウ カンマク ドウミャク ヘイソクショウ ノ 1レイ : ショウニ ガン ケイケンシャ ノ フォローアップ ニ ツイテ ノ カダイ
  • ─小児がん経験者のフォローアップについての課題─
  • Issues in long term follow up for childhood cancer survivors

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抄録

0歳時に神経芽細胞腫の治療歴のある29歳女性. 妊娠経過中に慢性的な食後心窩部痛を呈し, 腹部造影CT検査で慢性腸間膜動脈閉塞症との診断に至った.<br>腹部造影CT検査では腹腔動脈の狭窄と, 上腸間膜動脈が閉塞し側副血行路として下腸間膜動脈の拡張が見られ, それらは放射線照射野と一致していたことから放射線晩期合併症としての血管成長障害と考えられた. そこに妊娠による腸管血流の相対的な減少が症状誘発に関与したと考えられた.<br>神経芽細胞腫を含め小児がんの長期生存率が高まり, 小児がん経験者の長期フォローアップと晩期合併症への対応が重要性を増している. 小児から成人まで継続的に包括的なケアを提供する家庭医にとっては重要な課題であり, 小児がん経験者のフォローアップを行うための知識や能力を持つべきと考えられた.<br>小児がん経験者を診る時は晩期合併症を想起することが重要である.

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