CTを中心とする医療放射線被ばくの発がんリスクについて

  • 星野 智祥
    やまと在宅診療所登米 みちのく総合診療医学センター (坂総合病院内)

書誌事項

タイトル別名
  • The cancer risks of medical radiation exposure associated mainly with CT scans
  • CT オ チュウシン ト スル イリョウ ホウシャセン ヒバク ノ ハツガン リスク ニ ツイテ

この論文をさがす

説明

日本は原爆による被ばく国として, また原発事故の当事国として, 深刻な放射線災害を経験してきた. その一方で, 日本は他の先進国と比べて国民の医療被ばくが多く, その主な要因は, 診断を目的としたCT検査が増え続けていることである. 福島原発事故が発生してから, 全国的に低線量被ばくと発がんのリスクについて議論が繰り広げられてきたが, 近年, 大規模コーホート研究において, CTスキャンからの低線量電離放射線による発がんリスクが明らかとなってきている. CTスキャンは短時間で解像度の高い画像が得られるため, 医療現場には欠かせない重要な診断技術となっているが, 患者の利益とリスクのバランスの上に立ち, CTが適切に使用されているのかどうか評価することがきわめて重要である. 病院総合医に求められる中核的能力には, 病院医療の質を改善する能力, 他科やコメディカルとの関係を調整する能力が含まれる. この観点から, 病院総合医が放射線科医や放射線技師らと協力し, CTの使用を正当化しながら, 不必要な被ばくを最小限にするためにはどのような役割を果たせるのか考察した.

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (41)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ