真のファンダメンタルズ仮説―株式市場におけるバイアスの検出―
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- 佐野 一雄
- 福井県立大学経済学部
抄録
株式のファンダメンタルズ指標には,情報だけでなく,株価に作用するノイズとバイアスが含まれていると考えられるが,一般に,ノイズとバイアスの作用を識別することは困難である.本稿では,合理的期待による「真のファンダメンタルズ仮説」を提示し,実際のファンダメンタルズ指標からバイアス成分を検出する.具体的には,「真のファンダメンタルズ仮説」にもとづく対数正規分布モデルを用いて,株価収益率, 純資産倍率および株価キャッシュフロー倍率からバイアス成分を検出する.バイアスは基本的に同じ性質を示し,分析結果の一部は「真のファンダメンタルズ仮説」を強く支持している.キャッシュフロー指標に含まれるバイアス成分は相対的に少なく,とりわけ「投資活動による正のキャッシュフロー倍率」は「真のファンダメンタルズ」の代理変数であることを示す.
収録刊行物
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- 行動経済学
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行動経済学 8 (0), 66-72, 2015
行動経済学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205344651520
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- NII論文ID
- 130005150616
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- ISSN
- 21853568
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可